いきなり強いタイトルですみません。
実は前から時々思ってたんですよね。
「意外とこのダンサー、音楽聴いてなくない……?」
って。
今回の記事でいうところの「ダンサー」は、狭い意味でのダンサーではなくて、アイドルや、パフォーマンスにダンスを取り入れているシンガーなんかも含んでると思ってください。要は踊って、ステージや映像でなんらかのパフォーマンスをしてる人です。
今回は「ダンサーにはもっと音楽を表現できるようになってほしいので、音楽を深く聴く方法をお伝えするよ」という記事になってます。
◆実際にアンケートをとってみた
実際のところどうなんだろう?うぽの思い込みじゃないだろうか?普段ダンサーってどういう風に音楽聴いてるの?と思い、実際にTwitterでアンケートをとってみました。
フォロワーの皆さんには拡散も手伝って頂いて、全体で40票近くは確保したのですが、それでもその程度。
投票者はうぽのフォロワーさんが大半でしょうから、情報としての正確性は欠いていると思います。
ただ、少なくともこのアンケートでは、だいたい予想通り・感覚に近い結果が得られました。
◆このアンケートからわかること
・さすがに音楽を聴いてない人はいない(ほっとした笑)
・8割程度のダンサーは、日常的にBGMとして音楽を聴いている
・リスニング(=集中して音楽を聴く)習慣がある人は、合わせて2割程度
ということがわかりました。
◆ダンス=音楽だと思うから
そもそも、ダンスと音楽の関係性って、なんでしょう。
世の中には、無音の中で踊るようなダンスもあります。
コンテンポラリーダンスの一部には、実際そういった作品もあります。
音楽はかかっていても、それはあくまでBGMで、振付とはあまり関係を持たないジャンルもあります。
パントマイムやアニメーションダンスは、時にそのようなパフォーマンスになることがあります。
でも、これらはかなり例外的なもの。
ダンスのジャンルは様々あれど、ほぼ全てのダンスには「音楽」があり、ダンスは音楽を表現しようとします。
音楽とダンスは切っても切れない関係なんです。
◆「ダンスで音楽を表現する」とは
この項目だけで1記事書けてしまいそうですが…(笑)
・メロディ・歌詞の感情を表現する
・リズムを表現する
・音の質感を表現する
といった切り口がとても大事だと思うんですね。
「表現する」以前に、そもそも理解できていなかったら。
聴けていなかったら。認識していなかったら。
そもそも表現というフェーズに入れないんです。
耳に入ってるというレベルじゃダメなんです。
「聞く」んじゃダメなんです。
「聴く」ことで、はじめて音楽への理解が始まるんです。
(知らない人は違いをググってくださいね)
英語で言うならHearとListenの違いです。たぶん。
「このダンサー、音楽を表現できてないな」「音楽を無視して自分勝手に踊ってるな」と思うことがあります。
「音楽は理解できてるけど、表現するスキルがない」のか、それとも「音楽自体が聴けていない」のか。
それは人によるでしょうけど、後者の方がもったいないのは確かです。
「聴けさえすれば」その人は表現できるかもしれないですからね。
◆音楽を深く聴く方法① ヘッドフォンを買い換えよう
率直に言います。
まずは良いヘッドフォンを買ってください!笑
ヘッドフォンでも、イヤホンでも、スピーカーでも、何でもいいです。
ヘッドフォン・イヤホンなら最低1万円、スピーカーなら3万を超えてくると良い音がしてきます。
それが無理だとしても、今500円のイヤフォンを使ってるなら5000円のイヤフォンに買い替えましょう。
値段と音質が正比例するわけでないけれど、やっぱりある程度お金を出さないと良い音は買えません。
なんで良い音で聴いてほしいのか。
音の良さって、写真の解像度と同じだと思うんですよ。
昔のガラケーで撮った写真と、スマホで撮った写真。
表現力が全然違いますよね。
ガラケーで撮った青空は、ただの1色「青」かもしれないけど
スマホで撮った青空は、水色、淡い緑、強い青、グレーがかった青、雲との境目の絶妙なグレー、いろんな色が混ざっているのがわかるはずです。
一眼レフ等の機材で撮影したら、もっと精細な「青空」を写すことができるでしょう。
500円のヘッドフォンと1万円のヘッドフォンには、そういう表現力の違いがあるわけです。
元々の音楽にはいろーーんな情報が入ってるけれど、安いヘッドフォンを使っていると、残念ながらそれらの情報をキャッチすることができません。
◆音楽を深く聴く方法② 目を閉じて音楽だけに集中しよう
良いヘッドフォンは用意しましたか?
(しつこいようですがイヤホンでもスピーカーでも良いですよ)
では何か曲をかけましょう…好きな曲…今度踊る予定の曲…きっと聴き慣れてる曲がいいです。
音量はある程度大きく。できれば周りが静かな場所がいいですね。
そうしたら、目をとじて。
耳だけに集中するんです。
どんな楽器が入っているのか。
聞こえていなかった音がきっとたくさんあります。
その楽器はどの場所に鳴っているか。
それぞれの音には左右の位置や奥行きがあります。
その楽器の音量はどうですか?
全部同じ音量じゃないですよね。
その楽器はどんな質感の音ですか?
硬い?やわらかい?重い?ふわっと?
効果音は入っていませんか?
1曲にその一度しか出てこないかもしれません。
リズムはどうですか?
タイミングが思ったより速かったり遅かったりしませんか?
その曲はどんな空間で鳴っていそうですか?
広いホール?クラブ?デッドなスタジオでしょうか。
歌に注目してみましょう。
歌手の息遣いは?声質は?性格は想像できますか?
歌詞は何を言っているのか。
言葉だけじゃなく、その奥にある感情は?
きっとまだまだあります。
音を探してください。
まだ知らなかった音を見つけてあげてください。
聞こえた音のツブたちで、頭の中に絵を描けるようになってください。
歌詞の言葉そのものではなく、その奥にある想い・情景を受け取ってください。
◆人間は視覚の生き物だから
人間にとって聴覚はサブ的な存在です。
目から飛び込んでくる情報に、聴覚は簡単に負けてしまいます。
ついつい聴きながら他の考え事にうつってしまうこともあるでしょう。
そこはなんとかこらえて、せめて1曲。5分だけでいいのです。
「集中して聴く」というトレーニングをしてください。
きっと、今まで知らなかった音楽の世界を、体験できると思います。
普段はBGMとしてでもいいから。
たまには。踊る曲だけは。
こうやって深く音楽を浴びてほしいと、うぽは思います。
◆音を表現してこそダンサー
1曲集中して聴いた直後。
きっと全身が耳になったような、不思議な感覚があると思います。
その感覚のまま、踊ってみてほしいのです。
音を理解したから、聴けたから、それがすぐに身体で表現できるかというと、それはきっと別の慣れやトレーニングが必要だと思います。
でも、理解できていないものは表現できるはずがありません。
まだやったことがないダンサーは、ぜひ試してみてくださいね。
うぽの印象では、アイドルでこういったトレーニングをしている人はほとんど居ないので、ライバルから一歩抜きん出る表現力を獲得できると思います。
ダンサーだけじゃなく、ボーカリストにも良い効果がありますよ。
◆今回のざっくりまとめ
・音楽を身体で表現するのがダンス
・高い解像度で音楽を聞こう
・まずは1曲入魂、集中して音を浴びてみてほしい
なんだかまだ書き足りないような感覚が残っています。
きっともっと言語化できる気がする……いつかまたそのうち。
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