​振付コラム

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ダンスの先生は怖い?ダンスレッスンで叱るとき、叱らないとき。

更新日:3月3日

よくテレビのドキュメンタリーなどで、アイドルたちがダンスの先生に痛烈に叱られてるシーンを見ると思いますが、実態はどうなのでしょうか。

ダンスのレッスンって怖い、ダンスの先生は怖い、と思われているかもしれませんね。


◆実際、ダンスの先生はキレるのか

先生もいろんな方が居るので、キレる先生も居るでしょう。

先述のアイドルドキュメンタリーでは、痛烈に叱って、その結果アイドル達が立ち尽くし涙を流せば「エモいシーン」が録れます。

ドキュメンタリーは現実を切り取っていくものだけれど、感動・心が動くシーンがないと面白くないので、編集時にカットされずに使われがちだったりもするわけですね。

でも、実際のレッスンじゃそんなに怒りません(笑)

もちろん必要に応じて叱るときもありますが……

怒ってばっかりじゃ信頼関係もできないし、アンガーコントロールできてない先生なんてコワイですよね。



◆何よりも大切な「信頼関係」

先生と生徒。

振付師と、アイドルやタレントさん。


この両者の間には信頼関係が絶対に必要なのです。


ダンスというひとつの作品において、作品や表現の方向性を舵取りするのが振付師。

それを実際に「踊る」という形で具現化するのが、踊り手である生徒さん、アイドルさん、タレントさんなわけです。

どちらが偉いということではなくて、役割分担をして、ひとつの大切な作品を組み上げようとしているパートナーなんですよね。

信頼関係が崩れていると、「この振付師の言うことなんて聞きたくない。」と思われかねない。

舵取りをする人と、実際に踊る人が、同じ方向を見られなければ、良い作品になるはずもありません。

大切な作品をまとめあげるために、

お客様に伝わる作品になるために、

踊る人が昨日より1mmでも成長するために、

信頼関係は絶対に必要なものです。


◆叱ると決めるのは、「メンバーのプロ意識が欠けている」時

とはいえ、「今は叱った方がいいな」と思えば、叱るときもあります。

ではどんな時に叱るのか。

端的に言うと、「メンバーのプロ意識が欠けている時」です。

先にことわっておくと、基本的に叱るのは生徒さん自身がプロ、あるいはこれからプロになる生徒さんだけです。趣味で楽しむために踊っている生徒さんに叱ることは、よほどのことがなければ無いですね。

プロにはプロなりの「レッスンの受け方」を期待するということです。


◆プロと趣味の生徒の決定的な違い


そもそもプロと趣味の生徒の違いは何か。

一番大きな違いは「レッスン料金を誰が払っているか」です。

趣味の生徒は自分で自分のレッスン料金を払っているけど

プロは、芸能事務所やその案件の制作会社がレッスン料金を払っているわけですね。

つまりプロにとってのレッスンは、ビジネスにおいての「投資」なのです。

趣味の人は楽しく踊れれば良いけれど、

プロは投資(=レッスン料)に見合うだけの「成果」を求められます。

だからレッスン・リハーサル時間中、なるべく早く振付を覚え、振付師から多くのことを吸収し、最大限、作品のクオリティがを上げるために貢献しなければいけません。

キャリアを積んだプロなら、短いレッスン時間内でもたくさんの振付を覚え、指示に対して瞬時に対応することができます。

でも、ことアイドルの現場においては、こういった場合ばかりではありません。

「ダンスを踊るのが初めて」という新メンバーであっても、プロとしてレッスンを受けることが求められます。

プロとしての自覚を持ってレッスンを受けないといけない。

でも瞬時に振付を覚え指示に応えるほどの実力はまだ持っていない。

ではどうするのか?

という話になるわけです。


◆レッスン前後の予復習に「プロ意識」が宿る

ここで先ほどの「メンバーのプロ意識が欠けている時に叱る」という話に繋がっていきます。

この「メンバーのプロ意識が欠けている時」をより具体的にすると、

一番多いシチュエーションは

「前回のレッスン・リハーサルでやった内容を覚えてきてない時」なんです。

先ほどの新人アイドルさんの事例で考えると

・プロとしてレッスンを受けなければいけない

・でも瞬時にプロ並みの成果を出すほどの実力は無い

わけですよね。

そのときに大事になってくるのが、「レッスンとレッスンの間の過ごし方」なんです。

◆やるだけで抜きん出られる、ダンスレッスンの予習と復習


レッスンで習った振付や言われた指示、不足していたスキルを、レッスン後にきちんと復習して、咀嚼して、次回までに出来るようにしておく。

レッスンの動画を確認して、指摘されていなくても改善点を探して練習しておく。

練習しても上手くできないところは、次回への質問内容としてまとめておく

こういったことがきちんと出来るメンバーは、短期間でグイグイ伸びていきます。

スキルが高くなくても、ダンスが未経験でも、「あの人はプロ意識あるね」と、振付師はもちろん、プロデューサーをはじめとした運営陣の評価もすこぶる高いです。

そして、一見当たり前に見えるこの予習復習を、毎回きちんとやってこれるメンバーは実はかなり少ないのです。これをやれるだけで、評価もスキルも上がります。


◆成長段階や状況をみて、必要なときだけ叱る

これまで書いてきた「プロ意識が足りないとき」「予習復習ができていないとき」が、叱るシチュエーションとして代表的ではありますが、実際はこれだけでなく、メンバーひとりひとりの成長段階、性格、本人のメンタル状態、グループとしての成長段階やおかれている状況、運営陣の考え方など、様々な要素を総合的に見ながら、指導方法を考えていきます。

実際のレッスン現場においては、その瞬間の判断になることも多く難しさもありますが、良い作品・良い成長のために知恵を絞れる時間は、私にとっても有意義な時間です。



◆叱られたくないメンバーへ

この記事を「叱られたくないなぁ」という気持ちで読んでいるメンバーへ。

一番伝えたいことは「アイドル・タレントにとってレッスンは、踊ることは、遊びじゃない」ということです。

踊ることは本来楽しいこと。

だから「楽しんじゃダメ」という意味ではもちろんありません。

遊びなら、レッスンの時間内で楽しく踊ればそれでいい。

でもプロなら、レッスンで学んだことを次に活かすため、レッスン以外の時間の過ごし方を考えましょ。

遊びで気楽に踊りたいなら、芸能活動はしないで、趣味としてダンススクール行けばいいのです。

いつも心にファンの方、ステージを見に来てくれる人たちの思い浮かべて、その人たちに喜んでもらえるように、失礼のないように、丁寧にレッスンやステージに向き合っていれば大丈夫。

パフォーマンスに真摯になっている姿勢は、必ず誰かが見ています。



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