「ダンスが上手くなるために、筋トレしなきゃ、ストレッチしなきゃって思うんですけど、続かないんです。」
ダンスを教えていると、生徒さんからこんな相談を受けることがあります。
前回の記事「筋トレ・ストレッチ習慣で身体を変えたい!3日坊主にならず継続するコツ」では、何か継続したいことがあるとき、どんな考え方をすればいいか、どうやって時間を確保すれば良いのか、そんな内容をお伝えしてきました。
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でも、人間は感情の生き物です。
いくら頭で「こうするべきだ」とわかっていても、「これで目標を達成できる」とわかっていても、なかなか行動に移せない。
そんなときもあると思います。
今回は「何かを継続して努力したいとき、自分の心とどう向き合ったらいいのか」をテーマにお話ししていきます。
筋トレやストレッチなど、身体作りの事例を主に取り扱いますが、「何をやるか」より「どうやって続けるか」にフォーカスしてお話しするので、「勉強や読書の習慣をつけたい」といった方にも、きっとヒントがあると思います。
◆題して「筋トレ=歯磨き化計画」
突然ですが、あなたは毎日歯磨きをしますか?
歯磨きをするとき、どんなことを考えますか?
厚労省の調査によれば、1日に1回以上歯を磨く人は、98.2%にのぼるそうです。
きっとこの記事を読んでいるあなたも、回数はともかく、毎日歯を磨いていることでしょう。
では、歯を磨く前、歯を磨いているとき、どんなことを考えますか?
なぜあなたは歯を磨くのでしょうか?
歯を磨く理由はいろいろあるでしょうけれど、大きな理由は「虫歯になりたくない」ということだと思います。
「毎日歯を磨けば→虫歯にならない」ということですよね。
でも、それは本当ですか?
毎日一生懸命歯を磨いていたのに、気づけば虫歯が出来ていた…なんて経験は、多くの人がしていることでしょう。
もうひとつ聞きます。
「虫歯にならないために、老後に健康な歯を残すために、今日も歯磨きをしよう!」と、毎日必ず考えて歯磨きをしていますか?
どうしても歯磨きがめんどくさい!という日には、そんなことを考えて奮起するかもしれませんが(笑)
毎日毎日、それを考えながら重い腰を上げて、無理やり歯磨きをしているわけではないはずです。
「やるべきことだから」「習慣だから」「やらないとなんとなく違和感があるから」「口がすっきりするから」
日頃はそんな理由が大半だと思います。
そして、ここからが大事なのですが、
「今日も歯磨きができた」という、とっても小さいながらも、毎日「達成感」が生まれていると思います。結局1年後に虫歯になってしまったとしても、毎日の歯磨き自体が「達成できたこと」にカウントできているはずです。
つまり「虫歯にならず老後に健康な歯を残す」という、長期的な目標が達成できるかどうかに関係なく
「歯磨きをすることそれ自体」が達成ポイントになっている。
ということですね。
これと全く同じことを、筋トレやストレッチなど、あなたが習慣化したいことで当てはめてみてください。
「体力をつける」という結果を達成できるかどうかに関係なく、「有酸素運動をすること自体」を達成ポイントにする。
「スタイルが良くなる」という結果を達成できるかどうかに関係なく、「筋トレすること自体」を達成ポイントにする。
ということです。
ぜひあなたも、あなたの達成したいことで、この文章を作ってみてくださいね。
◆自分で自分にいいね!ボタンを押す
「達成ポイント」や「達成感」という言葉を使いましたが、さすがにちょっと大げさですよね。
「たしかに毎日歯磨きしてるけど、そのたびに達成感を味わってるわけじゃないし…」と思っていると思います。
…私もそう思います(笑)
とはいえ、「歯磨きしても虫歯になっちゃうかもしれないんだから、あんまり意味ないことしちゃったなぁ…m(__)m」とも思っていないと思います。
そこにあるのは、どちらかというとプラスの感情ですよね。
そこでこの「達成感」を、もう少しライトに捉えてみましょう。
そうですね、「こころの中の、自分だけの、♡いいねボタン」って感じでどうですか?(笑)
皆さんは毎日、歯を磨き終わると「自分だけの♡いいねボタン」を押しているわけです。
筋トレも、ストレッチも、ランニングも。
いかに「自分だけの♡いいねボタン」を沢山押してあげられるようにするか。
これが最大のポイントです!
ちょっとできた!
今日も「自分に♡いいね」!
をたくさん出来た方が、ハッピーに過ごせると思いませんか?
◆「毎日必ず30分」は禁句!?厳格に決めてしまうデメリット
習慣つけるためには、とにかくたくさん「自分に♡いいねボタン」を押せる機会を増やしてあげるのが近道。
これはここまでお話ししてきた通りですが、裏を返せばこれは、「自分で自分にBADボタンを押す機会を、なるべく減らす」ということでもあります。
筋トレ習慣→いいねボタンがもらえる!
という関係性を、とにかく脳内に繰り返し擦り込みたいのです。
だから、
筋トレ習慣→BADボタンが押される…
というのは悪なんですね。
「せっかくの決めた良い習慣なのに、BADボタンなんか押さないよ!」とお思いでしょうが、本当ですか?
「毎日ストレッチしようと思ってたのに今日は休んじゃった」
「30分やるのが目標だったのに、10分しかできなかった」
こんな風に、「ずーーん(´・ω・`)」となった経験、きっとあるはずです。
いや、もし一度も無いんだとしたら、今頃この記事を読んでないですよね(笑)
こういった思いも全て「BADボタン」を押していることになります。
「休んじゃった」ということは「昨日まではできてた」ってことなんだから、そのできてたことに「いいねボタン」押しましょうよ!
「10分できた」んだから凄いじゃん!いいねボタン押しちゃおうよ!
と、声を大にして言いたいです!
「毎日必ず30分」なんて言葉を自分に課しているなら、今すぐ辞めましょう。
「必ず」とつけると、出来なかったときに自分を責めちゃうから。BADボタン押しちゃうから。
「毎日30分、やれたらいいな♡」くらいでどうですか?
目標設定の厳しさよりも、「少しずつでも前に進んでいること」「いつの間にか1年継続できていること」の方が、よっぽど価値あることなのです。
◆「習慣負債」を貯めない
仮にあなたが「毎日10分ストレッチをしよう」と決めたとします。
でもある週、たまたま忙しい日が重なって、月曜日から木曜日が一日もできませんでした。
今日は金曜日。あなたならどうしますか?
①1日10分なんだから、今日も10分だけやろう。
②4日連続休んじゃったんだから、今日は50分やろう。
どちらを選ぶ人も居るでしょうし、どちらでも間違ってはいません。
でも、筆者のオススメは①です。
これまでも書いてきたように、習慣をつける、続けるコツは
★自分にいいねボタンを押せる回数を増やす
★自分にBADボタンを押す回数を減らす
このふたつです。
②を選ぶと、少なからず「BADボタン」を押してしまうことになります。
「毎日ストレッチをするという目標を【守れなかったから】罰として50分やる」
これが②の真実です。
でも心は、残念ながらこのように正しくは理解してくれません。
心に残るのは
「ストレッチ=罰」
という、モヤモヤしたネガティブな感情です。
少しでもネガティブな感情があるものを、続けようと、人はなかなか思えないもの。
「できなかった過去」に捕らわれないことで、「続けたいと思える未来の自分」を救うことになるんですね。
◆習慣を制す者は「上手に自分を甘やかせる人」
習慣をつけるコツは
★自分にいいねボタンを押せる回数を増やす
★自分にBADボタンを押す回数を減らす
このふたつだと、何度も書いてきました。
これは要するに、「自分を上手に甘やかせる人」だと言い換えることができます。
自分の出来たことに目を向けて、その努力を認めたり、適切なご褒美をあげたりできる人です。
「上手にムチを打てる人」ではなく、「上手にアメをあげられる人」になってください。
幸せに何かを達成できる人は、きっとそんな人です。
みなさまが思うように習慣を操れる人になりますように☆
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